運動プログラム

ダイエットと基礎代謝の関係

間違ったダイエットを行えば、リバウンドで太ってしまうことは良く耳にします。

そのメカニズムをご紹介します。
この話を聞けば、カロリー摂取を減らす恐ろしさがわかり、二度と食事制限をやらなくなると思います。

人間の脳は、生きるために身体の中の様々な機能を使って調整しています。
「生きる」ための大事なはたらきを行っているのは、たくさんの生理的に活動している器官です。

エネルギーの総代謝量は、基礎代謝量が一番多く占めています。
活動代謝の約1.7倍です。
安静時代謝の1.1倍です。

いかに働かなくても、いかに運動しなくても、食事制限してしまっていたら、頭のいい人間の脳は本能で体内のエネルギー消費を抑えにかかります。

つまり、カロリーの摂取量が減少すると基礎代謝量を低下させて、生命維持を重視させてきます。

よって基礎代謝量を減らすために、まず一番エネルギーを消費させる筋肉を減らすのです。
反対に、少しの食事でもエネルギーに蓄えようとするために、カロリーをエネルギーで使わず、脂肪として体内に蓄積させようとします。

あまりに極端な食事制限でないかぎり、ここまでストレートな動きにはなりませんが、多くの食事制限が伴うダイエットを行えばこのような流れになります。

このような時期が短かったとしても、身体は自然に変化してしまっています。
しばらくの間は、食べるものの殆どを脂肪として体内に蓄えようとするはたらきを繰り返します。

これが「リバウンド」と呼ばれる太りかたになります。

とにかく、無理なダイエットは身体に良いことは一つもありません。
健康に動いてダイエットしましょう!



健康と運動と中年太り

基礎代謝量の減少は、人間なら避けて通れない生理的現象です。
しかし、その減少していく量を緩やかにすることはできます。

その方法は、やはり運動です。
からだを動かすことなのです。

定期的にある程度の運動を続けないと、特に40歳前後から太りやすくなります。

基礎代謝量の減少はエネルギー消費の減少に直結しているのです。
特に脂肪の分解が悪くなり余計太りやすくなってしまいます。
まさに、中年太りです!

消費されなかった脂肪は、血中から内臓脂肪や皮下脂肪となってどんどん体内に蓄積されていきます。

さらに基礎代謝と同様に、からだの中で加齢とともに減少していくものがあります。
それは何でしょう?

多くの人が実感していることです。

それは「筋肉」です。

【筋肉の減少=基礎代謝量の減少】

エネルギーの最大の消費者は「筋肉」です。

その筋肉が減り、基礎代謝の減る。
当然といえば当然です。

では、逆にそれを防ぐにはどうしたら良いのでしょうか?

なるべく大きな筋肉を動かしてカロリーを消費しながら、さらにその筋肉を大きくして、カロリー消費をアップさせることが大事になってきます。

痩せるには、有酸素運動だけでは効果が低いのです。
筋肉をつけるレジスタンストレーニングも絶対に必要です。

運動プログラムを立てる時は注意しましょう!!



基礎代謝の基礎知識

基礎代謝」ってご存知ですか?

からだの中の全てのエネルギー代謝(わかりやすく言えばカロリーの消費)は、食事・仕事・運動など、いろんな外的要因に影響されます。

その中でも脳などの神経系器官、心臓などの循環器系器官、肺などの呼吸器系器官、肝臓などの消化器系器官、さらにはホルモンの分泌など、生命を維持するためにあらゆる器官が働くことでエネルギーを消費しています。

このように生理的に必要な最小限のエネルギーを消費している代謝を「基礎代謝」といいます。

じっとしていても身体の中のエネルギーはどんどん消費しています。
しかし、その消費量には個人差があります。

乳児期の基礎代謝量は、約500kcal/日だそうです。
基礎代謝量がピークになるのは、男性が16歳、女性が14歳です。
男女それぞれ、ピーク時の基礎代謝量は、男性が約1600kcal/日で女性が約1360kcal/日になります。

そしてピークを過ぎると、加齢とともに年々減っていくのです。
基礎代謝量が減少する原因は、新しい活性組織の増加が起こらず、細胞の活性化も低下していくためです。
男女とも、60歳代でピーク時の80%程度の基礎代謝量になってしまいます。

1日の身体活動量が多い子供は、当然総代謝量も多くなります。

男子のエネルギー量は、6歳で1700kcal/日、10歳で2000kcal/日、16歳で2700kcal/日だそうです。
女子の場合は、6歳で1550kcal/日、10歳で1950kcal/日、14歳で2250kcal/日になります。

これらの値は、基礎代謝量の約1.7倍に当ります。

人生の中で一番元気に動き回る子供の運動量と比べても、活動して代謝するエネルギー消費量は基礎代謝量より低いのです。

それだけ、人間の基礎代謝によるエネルギー消費量は多いといえます。

そもそもエネルギー総消費量は、基礎代謝量と活動代謝量と安静時代謝量を合わせたものです。

基礎代謝量は、もうご存知でしょう!
活動代謝量は、仕事や家事や運動など、動いて消費するエネルギー量です。
安静時代謝量は、寝ていたり座っていたりしている時に消費するエネルギー量です。
ちなみに、安静時代謝量は基礎代謝量より約10%多くエネルギーを消費します。

つまり、基礎代謝量を上げれば活動代謝量も上がるし、安静時代謝量も上がるのです。

これらのことから、健康づくりを行う上で基礎代謝量を増加させることは、運動プログラムを立てる時にかなり重要だということがわかっていただけたと思います。



歩行は何メッツ?

みなさんは『METs(メッツ)』という言葉を聞いたことありますか?

メッツは運動の強さを表す単位です。


欧米では古くから「METs」を運動強度の目安として使っていました。

日本でも近年、運動処方や運動指導の現場では使われていたものの、一般的にはまだ広まっていませんでした。
それがやっと、昨年日本国民に広まるきっかけができたのです。

厚生労働省は、身体活動と運動による生活習慣病予防が大切であることから、数々の研究の成果を元に「運動基準2006」と、その基準に基づいて安全で有効な運動を国民に広く普及させるために「運動指針2006」を策定しました。

この運動基準と運動指針の中に「メッツ」を単位として、いろいろな身体活動や生活活動が示されています。


「メッツ」とは、身体活動の強さを安静時の何倍に相当するかを表します。
例えば、座って安静にしている状態が「1メッツ」で、普通の速さで歩くと「3メッツ」になります。


今回の「運動基準2006」と「運動指針2006」では、このメッツに時間をかけた値を新しい量の単位として「エクササイズ」と表現することも決まりました。

例えば、3メッツの運動を1時間すれば3エクササイズになります。
また、6メッツの運動を30分(1/2時間)行っても3エクササイズです。


何やらややこしくなってきました。


ちなみに、他の身体活動や生活活動をご紹介します。
これらは全て比べやすいように「1エクササイズ」になるための時間で計算されています。

★3メッツの活動20分間
普通歩行(平地を約67m/分)・屋内の掃除・自転車エルゴメーター(自転車こぎ:50ワット)・バレーボール・ボーリングなど

★4メッツの活動15分間
早歩き(平地を約97m/分)・自転車移動(約16km/時未満)・水中運動・卓球・太極拳・アクアビクスなど

★6メッツの活動10分間
家具や家財道具の移動・スコップで雪かき・高強度のウエイトトレーニング・バスケットボール・水泳(ゆっくりしたストローク)など

3メッツの活動を20分間、6メッツの活動を40分間、強さと時間をどちらも倍に行った場合、前者は60エクササイズ、後者は240エクササイズになります。
なんと、4倍です!


みなさんが使うことは、まだしばらくないかもしれません。
今後、こらからはこのような基準や指針が使われますので頭の隅にでも残しておいて下さい。



健康に効果のある運動強度②

健康に効果のある運動強度を求める場合、目標とする心拍数を計算します。

目標心拍数を設定する方法はいくつかありますが、今回は最大心拍数と安静時心拍数から簡単に計算できる「カルボーネン法の計算式」を使います。

計算式は
(220-年齢-安静時心拍数)×運動強度+安静時心拍数
です。

私を例に挙げて計算します。
・年齢:36歳
・安静時心拍数:72回/分
・目的:心肺持久力向上なので60%の運動強度
計算式に数値を当てはめます
(220-36-72)×0.6+72=139.2
私が安全で効果のある運動を行うには約140回/分もの運動を行う必要がある、という計算になります。

心拍数を140回/分も上げるにはかなりの運動です。
私は1年前までジョギングをやっていました。
5kmのコースを25分前後で走り、ジョギング直後の脈を測ると大体130~140回/分でした。

次に別の例で計算してみましょう。
・年齢:45歳
・安静時心拍数:80回/分
・目的:運動不足なので55%の運動強度
計算式に数値を当てはめます
(220-45-80)×0.55+80=132.25
この方の場合だと130回/分の運動で、安全かつより効果のある運動になります。

みなさんも是非計算してみて、目標となる心拍数を把握して下さい。
より効果的な運動がどの程度なのかわかりますよ。



健康に効果のある運動強度①

歩く速さや、歩き方によって、身体に良い効果かどうかわかりませんよね。
確かに、ゆっくりでもダラダラでも全くかないよりは動くだけ良いでしょう。

しかしせっかく歩くのだから、より効果のある歩き方を知っておいた方が健康につながります。
そこで今回は、安全で健康により効果のある「運動強度」についてお話します。

みなさんは「脈拍」を測ったことがありますか?
ご存知とは思いますが【脈拍数=心拍数】ですよね。

急激な運動や疲れるほど動いた後、または急に驚かされた時や緊張している時に心臓がドキドキしています。
その時、親指の付け根側の手首の動脈に手を当ててみて下さい。
速く脈打っているのがわかると思います。

人間は運動時やそれ以外の要因で心臓の働きが活発になるのです。

人によって様々ですが一般的に安静時の心拍数の正常値は、1分間に男性が60~80回で、女性が70~90回です。

安静時心拍数が低ければ低いほど「強い心臓」です。
ちなみにトップクラスのマラソン選手の安静時心拍数は50回/分代前後だそうです。

運動プログラムを立てるにあたって、最大心拍数の数値を基準にすることがよくあります。
実際に最大心拍数を測定できるのは、大学の研究室や運動処方を行っている病院しかありません。
そこで一般にその数値を求めるための計算方法があります。
「220-年齢=最大心拍数」の計算です。

目的や年齢、さらに疾患の有無によって異なりますが、最大心拍数を基準に何%の負荷をかけたら安全に効果のある運動になるかというデータが出ています。

一般成人で心肺持久力向上目的の人は、最大心拍数の60%以上の運動強度は必要です。
慢性疾患の予防や運動治療が必要な方は、最大心拍数の55~75%です。
極端に運動不足の人や高齢者は、最大心拍数の30%程度からはじめると安全です。

次回は具体的な例を挙げて、運動強度を計算してみます。