友達と「共食」元気の源──栄養バランス安心
外に出て仲間と食べる。
家の中で家族と一緒に楽しく味わう――。
栄養の偏りを防ぎ、心身の健康維持を目的とした「共食」が関西で定着、交流の輪が広がっている。
民間が主体となった食事会は地域で根を張り、団塊世代の男性に厨房(ちゅうぼう)入りを誘う教室も盛況だ。
おいしい料理に舌鼓を打つシニアの笑顔に触れてきた。
4月中旬のお昼時、大阪府豊中市にある特定非営利活動法人(NPO法人)よつ葉福祉友の会の地域交流施設「よつ葉サロン霜月会」では恒例の食事会が開かれ、20人ほどのシニアが集まっていた。
「料理が苦手なので、野菜がたっぷりのお料理は助かる。
残すなんてもったいない」。
近くに住む熊ツヤさん(88)は食後、満足げにこう話す。
この日のメニューは野菜のあえ物と、ワケギのぬたあえ、ジャガイモのそぼろあんかけ、みそ汁、ご飯の5品。
熊さんは2年前から食事会に通っている。25年前に夫を亡くした。
それ以来の1人暮らしだが、外に出て歩くという運動も兼ねて会に出向くそうだ。
食後の手芸教室や合唱会も楽しみの一つ。
同年代の友達とワイワイ、ガヤガヤ。
「薄味で量もほどほど。100歳まで生きる元気の源にしたい」。熊さんは笑う。
よつ葉サロン霜月会は1998年開設。
豊中市内に住み、介護保険を利用していない65歳以上の元気なシニアを対象に火曜、木曜、土曜の週3回、参加者に900円払ってもらい食事会を開いている。
「70歳前半から95歳まで、参加者は幅広い」とスタッフの田中尚美さん。
主食・主菜・副菜がそろっているか栄養面に気を配る。
食の安全にも配慮し、有機栽培の国産食材にこだわる。
大勢で食べることで食事そのものが楽しくなるだけでなく、参加者とコミュニケーションを図り新しい友達づくりに生かす――。
一般的に共食はこう定義される。
食生活の改善を目指す「食育」の中から出てきたキーワードだが、全国に先駆けて88年から共食を手掛けるのが生活協同組合コープこうべ(神戸市)だ。
今では全152店のうち33店が開催。
高齢者宅に弁当を届ける「配食」も3店が実施している。
神戸市北区の「コープ西鈴蘭台」店は月1回、「ふれあい食事の会」を開く。
他店とひと味違うのは、調理するボランティアも会を運営するスタッフもシニアという点だろう。
お昼前、続々と訪れた参加者とスタッフらは気心の知れた仲。
「もっとおしゃれしなければダメ」とスタッフ。
返す刀で「あなたのスカーフ、色目が濃い」と参加者。
各人の皿に盛られたビーフカツは、15分ほどでなくなった。
食事の会代表の伊藤ともさん(68)は元民生委員で、お店が94年に会を始めた時から運営にかかわっている。
いわば地域の見守り役。
「知っている人がちゃんと会に来てくれると安心する」。
伊藤さんから見るとシニアは女性の方が行動的。
だから「家にこもりがちな男性に来てもらうか」が課題だそうだ。
もっとも活動的な男性シニアだっている。
そうした男性を魅了するのが料理教室だ。
ベターホーム協会(東京・渋谷)が2005年春からスタートした「60歳からの男の基本料理の会」。
受講者が伸びており現在までに全国18教室で約2000人が受講している。
4月下旬、大阪市北区の協会大阪事務局にある料理教室。
三角きんにエプロン姿の27人の“料理戦士”が白身魚の香味蒸しに挑む。
関西の大手企業と関連会社に勤め1年半前に定年退職した男性(68)は、「妻がサークル活動で不在のときくらい、自分の(身の回りの)ことは自分でやる気持ちで入会した」と話す。
近くのテーブルで腕を振るっていた男性(69)はこう話す。
「この料理教室は今回で卒業。
5月からは総菜教室にステップアップする。
教室で学ぶ同世代と食べて飲んで大いに語らって、本当に楽しい」
ベターホーム協会は06年7月、協会の料理教室を受講した60歳代男性404人に全国調査(有効回答189人)を実施。
「料理のよいと思うところはどこか」という問いに、39.7%が「人とコミュニケーションがとれる」と答えた(複数回答)。
おいしいものを食べれば顔がほころぶのは誰しも同じ。
「家族や仲間とさらに打ち解けるには料理が一番。
男性も共食の担い手になっている」と協会は分析している。
2007年5月9日 日経ネット関西版
http://www.nikkei.co.jp/kansai/elderly/39819.html
『共食』・・・・いい言葉ですね。
「栄養の偏りを防いで、心身の健康維持を目的とした食事を摂る」・・・・最高です。
誰もがこうできれば、みんな健康になっていくはずです。
気の知れた仲間や家族と楽しくおいしい食事をすれば、医療費の削減、地域の連携強化など、2次的な効果も期待できます。
関西方面で『共食』が活性化しているのなら、日本の中心の位置ですので、全国に広めていってもらいたいものです。
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